胃もたれ

胃もたれとは何か

胃もたれとは、食べ物の消化が遅くて、胃に溜まった状態により起こる不快な症状のことです。日常生活のなかでも比較的起こりやすく、胃が重い、苦しい、胃の膨満感、消化されていない感じ、また人により吐き気も胃もたれと表現します。医師に症状を伝える際は、胃もたれに加えて、症状はこのような感じであると別の表現で話すと、より自分の症状を正確に伝えられます。

胃もたれの主な原因の1つは暴飲暴食です。脂っこいものは、消化が遅く胃に負担がかかります。また、不規則な食生活や偏食も胃もたれを起こしやすいです。また、ストレスも原因になります。自律神経系のバランスが崩れると胃の働きも低下するため、食べ物を消化する胃液の量が減ったり、食べ物を送り出す蠕動運動が弱くなり胃もたれが生じます。さらに、加齢も原因となり、ストレスと同様に胃の働きを低下させます。なお、妊娠や消化器疾患も考えられます。妊娠初期に、急激なホルモンや代謝の変化、ストレス等により、つわりを感じる人が多く、子宮が大きくなると、胃の圧迫やぜん動運動が低下して胃もたれを感じやすい傾向にあります。何らかの疾患により、胃もたれが引き起こされることもありますので、胃もたれがありましたら当院までご相談ください。

胃もたれに関係する疾患

ピロリ菌の感染や慢性胃炎、機能性ディスペプシア胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍のなかで、気をつける必要があるのは胃がんです。胃がんは、進行すると胃の動きの低下や食物の通過を止める等の影響が出ます。そして、胃もたれが起こります。胃もたれは、進行した胃がんの症状であり、早期ではほとんどみられません。ピロリ感染は、感染が見つかった際は除菌を行い、除菌のあとに胃もたれ等が改善する場合があります。ピロリ菌は、胃がんの原因にもなります。機能性ディスペプシアは、胃潰瘍や胃がん等がないにもかかわらず、胃もたれ等の上腹部に不快な症状が起こります。内臓の知覚過敏や胃の排泄能力の低下、ご飯を食べても胃が広がらない胃の適性弛緩障害等が起こっています。

胃もたれで病院に行くタイミング

医師の診断が必要なものとして、下記のような症状があれば、お早めに当院までご相談ください。

機能性ディスペプシアとは?

胃痛や胃もたれ等、胃に慢性的な不快症状があるにもかかわらず、内視鏡等により、検査しても異常が見つからない状態です。腹部膨満感や胃痛、胸焼け等がみられる場合もあります。これらの症状は、胃がうまく働かない運動機能障害や、胃が胃酸等の刺激に対して敏感に反応する知覚過敏等により起こります。また、ピロリ菌の感染や遺伝、ストレス等も原因になります。適切な治療のためにも、消化器内科を専門とする医療機関までご相談ください。なお、当院でも専門的に治療をしております。お気軽にご相談ください。

機能性ディスペプシア

胃もたれと内視鏡検査

鎮静剤を使用して、胃もたれが起こっている原因として、何かの疾患になっている場合があります。症状が続いているにもかかわらず、ただの胃もたれだからと軽視することは危険です。生活習慣を見直しても、症状の改善がみられない場合は、胃もたれの背景に、深刻な病気になっていないかを確認する必要があります。胃もたれが続く場合は、内視鏡専門医による胃カメラを受けてみましょう。

胃もたれの予防は5つあります。

暴飲暴食を避けて、腹八分目にしましょう。

食べすぎや飲みすぎは胃に負担をかけるため、1日3食、規則正しい食事を心がけましょう。

消化の良いものをよく噛んでゆっくり食べましょう。

脂っこい食べ物は、消化に時間がかかるため、胃もたれの原因になります。脂っこい食事を控えて、消化の良いものを摂りましょう。

過度な飲酒や喫煙には気をつけましょう。

胃粘膜血流を低下させて胃粘膜を荒らしたり、胃の運動機能を低下させる原因になります。

刺激物は控えめにしましょう。

味の濃い料理、辛い料理、極端に熱いもの、冷たいもの、炭酸飲料等は胃に負担をかけます。コーヒーはミルクをいれた方が良いです。

ストレスをためないようにしましょう。

胃の働きを低下させるため、自分なりのストレス対処法を見つけましょう。